【ケース2:亡くなられた方が男性80歳 元雑貨店経営者(福岡市南区井尻5丁目)】
☆ココがポイント!
① 亡くなった方が居住していた土地については、相続人が住まない場合は
居住用宅地としての評価減はありません。
② 貸しアパートについては借地権、借家権相当の評価減があるが、老朽化による
弊害から賃貸を継続しない場合にはその評価減はなされません。
③ また賃貸業を継続している場合は、その敷地部分について業務用宅地として
50%評価減の特例がありますが、既に賃貸をやめている場合にはそれも適用
されません。
従って賃貸業務を相続開始前に辞めている場合は相続税総額は約200万円
増加します。
④ 老朽化した賃貸不動産がある場合は、修繕費もかさみ、かつ入居率も落ちて
いきますので、賃貸を継続jするのか止めるのか、または建て替えるのか?
賃貸業務の収支と相続税負担の変化を十分に検討しなければなりません。
【ケース3:亡くなられた方が働き盛りの男性49歳会社員(福岡市博多区麦野3丁目)】
☆ココがポイント!
① 自宅不動産は土地付きの一戸建てとは言え、決して高いというほどの物件では
なく、住宅ローンも残っているというケースです。
まだ子供の教育費もかさむ時期でもあり、貯蓄も大きくありませんので、日頃は
相続税など無縁と思われるのですが、若くしての病死ゆえ、生命保険金も多額、
勤務していた会社からも退職一時金が出るとなると相続税の負担も考えなけれ
ばなりません。
② 金融機関からの借入金は財産総額から控除して計算しますが、住宅ローンの
場合、団体信用生命保険が付されていることも多々あり、それによりローン債務
が無くなった場合は債務控除することができません。
③ 生命保険契約の死亡保険金と死亡退職金には、相続人一人当たり500万円の
非課税枠があります。
④ 配偶者軽減により税額が発生しない場合でも課税価格が基礎控除額を超える
場合は申告をしなければなりません。
【ケース4:亡くなられた方が男性77歳 元会社員(福岡市日の出町2丁目)】
☆ココがポイント!
① 決して大きな遺産額ではありませんが、法定相続人が一人あるいは二人という
場合は遺産に係る基礎控除額が小さいため、相続税の申告義務が発生する
ケースが少なくありません。
② 亡くなられた方の居住用不動産に住まわれる相続人がいない場合は、いわゆる
小規模宅地特例による評価減もありません。
【ケース5:亡くなられた方が男性80歳 元会社役員(福岡市博多区春町2丁目)】
☆ココがポイント!
① まとまった貯蓄が賃貸用不動産に姿を変えているため、ある程度は財産評価額
の圧縮ができています。
② 所有土地の面積がそれほど大きくなく、かつ亡くなられた方の居住用不動産に
住み続ける相続人がいらっしゃいますので、居住用不動産としての評価減80%と
賃貸業務用土地としての評価減50%を併用して適用することができます。